イエマンジャが2月2日に祝われる理由と儀式について
2月2日は、カトリックの「航海者の聖母の日」と結び付けられ、特にブラジル北東部でイエマンジャの崇拝と関連付けられるようになりました。
イエマンジャの日は、アフリカ系の「海の女神」を称える日として、ブラジル各地で祝われます。この海の女神は、アフロブラジル系宗教であるウンバンダやカンドンブレにおいて、生命や母性、海と深く結びついた存在です。
祝祭は2月2日を中心に行われ、特にブラジル北東部で盛んに行われています。この日は、カトリック教会の「Nossa Senhora dos Navegantes(航海者の聖母の日)」と結びつけられた象徴的な日でもあり、宗教的シンクレティズム(異なる信仰や儀式の融合)が背景にあります。
※Dia de Iemanjá(イエマンジャの日)は地域によって異なる日に設定されていることもあります
宗教的シンクレティズムとその背景
シンクレティズムとは、異なる宗教や文化が混ざり合い、新しい習慣や信仰が生まれることを指します。歴史の中で、さまざまな民族や宗教が出会い、影響を与え合うことで形を変えていきます。
例えば、ブラジルでは「イエマンジャ」という海の女神が信仰されています。もともとアフリカ由来の神ですが、カトリックの聖母マリア(ノッサ・セニョーラ・ドス・ナヴィガンテス)と結びつき、同じように海の守護者として崇拝されるようになりました。2月2日には、多くの人々が海辺で白い衣装をまとい、歌や供物を捧げます。
日本にもシンクレティズムの例は多く見られます。たとえば、「お盆」は仏教の行事ですが、日本古来の祖先信仰と結びつき、独自の形になりました。また、「神社で結婚式をし、お寺で葬儀を行い、クリスマスやハロウィンを祝う」といった文化も、日本ならではのシンクレティズムの一例です。
このように、異なる文化や宗教が交わることで、新しい価値観や伝統が生まれていくのです。
その他にも、アフロブラジルの神々とカトリックの聖人が融合している例があり、例えば、カトリックの聖人サン・ジョルジ(São Jorge)とアフロブラジル宗教の鉄と戦いの神オグン(Ogum)、サンタ・バルバラ(Santa Bárbara)と、雨と風の女神イアンサン(Iansã)、サント・アントニオ(Santo Antônio)と、狩りと森の神オショッシ(Oxóssi)などがあります。
これらのシンクレティズムの例は、ブラジルの宗教的な実践と文化に深く根付いており、またその背景についても、さらに今後お話ししていきます。
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